革修理ブログ

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2026/09/14

ボッテガ・ヴェネタ/コインケースのリペア事例をご紹介します。

ボッテガ・ヴェネタのコインケースをお持ち込みいただきました。
今回も当店のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
革研究所 京都上京区店のナカガワでございます。

9月に入り、暑さが少し落ち着いたかと思えば、雨が続く京都・西陣。
しっとりとした空気の中で、季節の移ろいを感じながら本日の施工事例をお届けいたします。

レザーは「育つ素材」。だからこそ、ほんの少しのケアが大きな差になります。
レザーという素材は、古くから“長く寄り添う相棒”として愛されてきました。
丈夫でありながら、使い込むほどに深みが増し、持ち主だけの風合いへと育っていく──
そんな魅力がある一方で、天然素材ゆえの繊細さも併せ持っています。

特に注意したいのが 乾燥 と 経年変化 です。

革はもともと皮膚だった素材。
内部には油分や水分が含まれ、それが柔らかさや強度を支えています。
しかし、長い期間お手入れをしないまま使い続けると、
この大切な内部成分がゆっくりと失われていきます。

すると──
表面が硬くなる
細かなスレが深いヒビへと変わる
最終的には裂けや破れにつながる

こうした変化は、どれほど高級なレザーであっても避けられません。

「最近ちょっと乾いてきた気がする」
「ツヤが落ちてきたような…」

そんな小さな違和感こそ、革からの“サイン”です。
この段階でご相談いただくと、革の体力が残っているため、
美しく、そして長く使い続けられる状態へと整えることができます。

逆に、深いヒビや破れが起きてしまうと、
修復の難易度もコストも一気に上がってしまいます。

大切なレザーアイテムを長く、そして美しく使い続けるためには、
早めのメンテナンスが最も賢い選択 です。

目次
① BEFORE(施工前の状態)
② ボッテガ・ヴェネタについて
③ ダメージの詳細
④ 革研究所のリペアについて
⑤施工後の画像

① BEFORE(施工前の状態)
今回は店頭へお持ち込みいただき、オーナー様と対面で状態を拝見しました。

オーナー様からは

[色が剥げてきた]  [全体を綺麗に整えたい]
というご希望をいただきました。

そこで今回は、
「キズ・ヒビ補修+全体再染色」
というフルコースで施工を進めることになりました。

② ボッテガ・ヴェネタについて
せっかくのご依頼品ですので、ブランドの魅力を少しだけご紹介いたします。

1966年、イタリア北部のヴェネト州ヴィンツェンツァ。
静かな街で、ミカーレ・タッディ氏とレンツォ・ゼンジアーロ氏を中心とした、
技術力の高い職人たちが集まり、ボッテガ・ヴェネタは誕生しました。
華やかな広告や大きなロゴではなく、
「本当に美しいものは、静かに輝く」という価値観を大切にしたブランドの始まりです。

ブランド名は
Bottega=工房、Veneta=ベネチアの。
そして象徴的な言葉 “When your own initials are enough(自分のイニシャルだけで充分)” が示すように、
ロゴを掲げないことを美学としています。
自分らしさを大切にする女性にとって、この控えめで上品な姿勢はとても魅力的ですよね。

丁寧に作り込まれた製品は「まるでシルクのようだ」と称され、
個性と自信を尊重し、MADE IN ITALY にこだわる哲学 が一貫して息づいています。
手に触れた瞬間に感じる柔らかさや、使うほどに深まる艶は、
まるで持ち主の人生に寄り添うような温かさがあります。

ブランドの進化とクラフトマンシップへの想い
2022年:サーティフィケート・オブ・クラフト導入
「質を重んじる姿勢」をより明確にし、職人技の継承をブランドの中心に据えました。

2023年:職人育成機関『アカデミア・エ・インジェニウム』設立
若い世代が技術と知識を磨き、次の時代へ受け継ぐための場所として誕生。
ここで育つ職人たちが、未来のボッテガを支えていきます。

2026年:創業60周年を迎えました。
半世紀以上にわたりクラフトマンシップを守り続けてきた節目の年。
「変わらない美しさ」を追求し続ける姿勢には、思わず敬意を抱かずにはいられません。

卓越した技術を惜しみなく若い世代へ継承し、
そのクオリティを未来へ繋げようとする姿勢は、まさに“職人の誇りそのもの”。
女性としても、こうした真摯なものづくりには心が動かされます。

イントレチャートとは
ボッテガ・ヴェネタを象徴する、美しい編み込みレザーの技法です。

細く裁断したレザーを、職人が手作業で丁寧に編み込む技法。

薄く柔らかい革を均一なテンションで交差させることで、しなやかで美しい編み目が生まれます。

機械では再現できない、わずかな“ゆらぎ”が魅力で、女性の手元に自然と馴染む優しい表情を持っています。

クラシックイントレチャートの特徴
創業初期から続く伝統的なスタイル。

目の細かい編み込みで、繊細さと丈夫さを両立。

滑らかな手触りと深みのある光沢が生まれ、持つだけで気持ちが満たされるような上質感。

革の厚み・幅・テンションの違いが表情を変え、同じものは二つと存在しないという特別感。

女性がバッグを選ぶときに大切にする「自分だけのもの」という感覚を、自然と満たしてくれる技法です。

技法が生まれた背景
当時、硬いレザーを縫える強度のあるミシンがなかったため、
「薄いレザーを補強し、丈夫に使えるようにする」工夫として編み込みが採用されました。

縫うのではなく編むことで負荷を均一に分散し、
柔軟性と強度を両立する構造 が生まれました。
実用性と美しさを同時に叶えるこの発想は、女性のライフスタイルにも寄り添う魅力があります。

経年変化の美しさ
イントレチャートの魅力は、使い始めだけでは終わりません。

最初はしっかりとした張りがあり、凛とした印象。

使い込むほど手に馴染み、柔らかく変化。

年月とともに艶が増し、持ち主と共に育つような風合いが生まれる。

“自分だけの表情” が宿り、愛着が深まっていく。

まるでお気に入りのジュエリーや香水のように、
使うほどに「その人らしさ」が宿っていくのが、イントレチャートの大きな魅力です。

ボッテガのデザイン哲学との関係
ロゴやモノグラムで主張するブランドが多い中、
イントレチャートは “見えないロゴ” として存在感を放ちます。

派手なサインがなくても「それがボッテガ」と分かる。
近年注目される 静かなラグジュアリー(Quiet Luxury) の価値観と深く共鳴し、
大人の女性が求める“控えめで上質な美しさ”を体現しています。

職人技が生む「完璧な不均一」
革の厚み、力加減、気温・湿度などが編み目の表情に影響。

人の手の温もりが宿ることで、柔らかく自然な美しさが生まれる。

この“自然なゆらぎ”こそ、長く使っても飽きがこない理由。

女性が日々使うバッグに求める「優しさ」「柔らかさ」「自然体の美しさ」。
イントレチャートはそのすべてを満たしてくれる存在です。

ボッテガ・ヴェネタのイントレチャートは、
単なる編み込みではなく 職人の哲学・歴史・美意識が凝縮された技術。

静かでありながら圧倒的な存在感を放ち、
持つ人の魅力をそっと引き立ててくれる、まさに“女性のためのラグジュアリー”です。

③ ダメージの目立つ箇所

   
イントレチャート部分の退色、汚れの付着、コバのダメージが確認できました。

④ 革研究所のリペアについて

当店の修復は、単に色を塗って隠すだけではありません。
革を本来の状態へ導くための 5つの専門工程 を踏んで仕上げています。

1:汚れと油分の除去(クリーニング)
まずは革表面に付着した汚れや皮脂を丁寧に落とします。
この工程をしっかり行うことで、後の補修や色の定着が大きく変わります。
また、クリーニングを行うことで、普段は見えにくかったキズやスレが浮き上がり、
正確な状態確認が可能になります。

2:キズの補修(研磨・整形)
ケバ立った箇所や凹凸のある部分を研磨し、表面を滑らかに整えます。
この工程を丁寧に行うことで、仕上がりの美しさが大きく変わり、
色を入れた際に自然な質感に仕上がります。

3:下地作り(脱脂・表面調整)
専用の薬剤を使用し、油分や研磨カスを取り除きます。
この下地処理が不十分だと、後から色が浮いたり剥がれたりする原因になるため、非常に重要な工程です。

4:お色の調色・塗布
オーナー様のご希望に合わせて、革の色味を一つひとつ調色します。
既存の色に合わせる場合も、色替えを行う場合も、
自然で違和感のない仕上がりになるよう細かく調整しながら塗布していきます。

5:色止め・仕上げコーティング
カラーを定着させた後、仕上げとしてコーティングを施します。
これにより色落ちを防ぎ、耐久性を高め、革の美しさを長く保つことができます。

当店の施工は、すべて 革研究所独自開発の材料 を使用し、
革への負担を最小限に抑えながら、美しさと耐久性を両立させることを大切にしています。
以上の五工程を通して、単なる修復ではなく「革を本来の状態へ導くトータルケア」をご提供しています。

⑤ AFTER(施工後の状態)
それでは御覧下さい!

 

    

 

    
ボッテガらしい鮮やかなグリーンが美しく復活しました。

いかがでしょうか??
キズやスレも目立たなくなり、また気持ちよくご愛用いただける状態なりました。

 

レザーのカラーチェンジも可能です。
「雰囲気を変えたい」
「色褪せが気になる」
そんな時はカラーチェンジが有効です。

ただし、革の特性上、
基本は“元の色より濃い色”への変更が安心 です。

薄い色へ変更すると、時間とともに下地色が浮きやすく、
耐久性・安定性の面で不利になります。

ブラック・ダークブラウン・ネイビーは特に相性が良く、
ムラが出にくく、経年変化にも強い仕上がりになります。

素材の状態やご希望のイメージを拝見しながら、
最適な色をご提案いたします。


【クラウンメンテナンスキット】
当店おすすめのレザーメンテナンスキットのご紹介です。
革製品は、正しくお手入れを続けることで驚くほど長持ちし、

使うほどに味わいが深まります。

革研究所では修理や補修だけでなく、

ご自宅で簡単に使えるメンテナンスグッズの販売も行っております。
「せっかく修理したから、これからも大切に使いたい」
「自分でお手入れしたいけれど、何を使えばいいかわからない」
そんなお客様の声にお応えし、クラウンシリーズのメンテナンスキットを販売しています。
  
なぜメンテナンスが必要なのか?
革は“呼吸する素材”と言われるほど、環境の影響を受けやすい素材です。
乾燥や湿気、摩擦などによって状態が変化し、放置すると劣化が進んでしまいます。
定期的にクリーニングと保湿を行うことで、
- 色あせやひび割れを防ぐ
- 革本来の柔らかさを保つ
- 汚れがつきにくくなる
- 長く愛用できる
といったメリットがあります。
修理後の美しい状態を長く保つためにも、ご自宅でのケアはとても大切です。

お問い合わせ方法

ご相談やお問い合わせは、下記QRコードからLINE友だち登録をしていただき、
トーク画面からご相談内容とお写真をお送りください。

ご依頼方法は、当HPトップにある「革修理の流れ」に詳しく説明させて頂いております。
宅配便等でお送り頂く際は、HPトップの「お申込書PDFダウンロード」でプリントアウトした書類に
ご記入頂き、同梱して頂ける様にお願いいたします。

 

ご相談、お見積りは無料です。

宅配便で全国から受付可能です!

ホームページURL : https://kyoto-s-kawa-kenkyujyo.com/
Mail:info@kyoto-s-kawa-kenkyujyo.com

    革研究所京都上京区店

  京都市上京区七本松通一条上がる末之口町1000-8

   多田マンション103

 (コーナン西陣上七軒店様の南隣の白いマンションの1Fになります)

  電話 075-406-0609

※納品等で外出している可能性もございますので、

 ご来店の場合は事前におおよその日時をお知らせ頂ければ幸いでございます。

ソファー等の移動困難な物は、出張見積もりも対応可能です。

出張可能エリア

(移動困難な大きな物や、複数あって送りにくいと言った場合にお問い合わせ下さい)

京都市全域(北区 上京区 左京区 右京区 中京区 東山区 下京区 西京区 南区 山科区)
亀岡市 宇治市 久御山町 向日市 八幡市  長岡京市 

他、近隣地域が都度ご相談下さい。

公共交通機関でのご来店

JR嵯峨野線 二条駅より徒歩26分(2.0Km)

 嵐電(京福電鉄) 北野白梅町駅より徒歩12分(600m)
 京都市バス 上七軒より徒歩3分(280m)
    (52系統のバス停は目の前です)

お車、バイクでのご来店

各高速ICから国道1号線「堀川五条」交差点を北へ⇒

「堀川今出川」交差点を西へ左折(信号左手前に西陣織会館があります )

「上七軒」交差点を南へ左折 (セブンイレブン、スーパーKOHYO、サイクルショップKONSがあります) ⇒ 200m直進 

進行方向右手、「コーナン西陣上七軒店」の南隣の白いマンションの1Fが当店になります。
*当店には専用駐車場がありません。近隣駐車場をご利用下さい!!

 

今回も当店のブログをお読みいただき、ありがとうございました!

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